プロジェクト計画(プロジェクトプラン)作成手法

プロジェクトプラン作成支援サービス  

bind_05.jpg

IEOsimple2.png
プロジェクトプラン作成支援サービスで用いるIEO(Input-Energy-Output)法の考え方をご説明します。

この方法はプロジェクト計画作成時にタスクを列挙する際に利用されるもので、すべてのタスク(アクション)を変換作業として考えます。つまり、タスクは何らかのインプットを所定のアウトプットに変換する動作ととらえます。たとえば、皿を洗うというアクションを考えると、使用済みの食器をインプットとしてきれいな食器がアウトプットに変換する作業と言えます。この作業に必要な事柄は、水道水、洗剤、スポンジなどの道具類、台所という環境、食器を洗うための基本的知識、などが挙げられますが、これらを変換動作を行なうためのエネルギーと総称します。

図式化すると次のようになります。
define-task.png
この方法の要点をまとめておきます。

  • タスクとして行なうアクティビティを、インプットを得てそれをアウトプットに変換する作業ととらえ
  • その作業に必要なあらゆることをエネルギーと総称して列挙する。
  • アウトプットは後続タスクのインプットになる。
  • エネルギーはタスクの変換作業のために必要な諸条件であり、タスクが開始できるかどうかに影響する。
  • エネルギーには、そのタスクを行なう担当者に関するもの(リソース要件)と、情報、環境などの分類があり、多くは事前にタスクとして生成されている必要がある。
  • タスク間の依存関係(FS, SS, FF, SF)は、インプットだけでなく、エネルギーが影響する場合もある。

事例として、プログラムモジュールの単体テストをするケースを考えてみます。この場合、インプット、アウトプット、エネルギーはそれぞれ次のようになるでしょう。
define-task-ex.png
タスク(アクション)はすべて変換作業だと考えるので、モジュールテストの場合のインプットはテストするモジュールそのものになり、アウトプットもそのモジュールです。テスト中に修正をしない前提で考えると、このケースの場合はインプットとアウトプットは実体としては同じものになります。

そして、テストを行なうためのエネルギーとして、図にあるような事柄が必要であることがわかります。これらは事前に準備されていなければなりませんので、そのためのタスクはすべて先行タスクとなります(FS型の依存関係)。

テストというアクションから生み出されるものは、アウトプットとして挙げたモジュールだけではありません。テスト結果などの情報が作り出されます。それらはアクションの結果の副産物としてとらえます。

ITプロジェクトでは、成果物という呼び名でタスクから生み出される文書を重視することが多いのですが、文書という外形でものごとをとらえるのはプロジェクトを進めやすいという利点はありますが、その反面、中身を見たお客様にダメだしをくらってプロジェクトが遅延というパターンになる場合があるので、できるだけ本質的な作業や結果で管理していくのがよいと考えます。

その意味で、副産物としてはあえて文書名ではなく、具体的な内容を記載しています。

まとめ

タスクをIEO法でひとつひとつ明確化していく作業は、面倒に思われるかもしれませんが、実際面倒です(笑)。しかし、SPMでは、詳細で正確なプロジェクト計画を作ることが大前提であり、それがないと進捗管理もできませんので、詳細な計画を作るための具体的な進め方としてこの方法を考案しました。

「プロジェクトプラン作成支援サービス」では、お客様の作られたWBSをこの方法で詳細化しながら、抜けもれや依存関係、所要時間の正確さなどを改善していきます。

IEO法についてより詳しくお知りになりたい方は、「IEO法の基本」をご覧ください。